moon🌛日記

はじめての妊娠・子育て & なんでもない日常のこと

読書『幼児期ー子どもは世界をどうつかむかー』

岡本夏木著『幼児期ー子どもは世界をどうつかむかー』について。新書はやはりリズムを掴むまで時間がかかるね。図書館で借りて、全部読めないまま返却してしまったけど、印象的だった箇所について書いておこうと思う。

 

現在の子どもが置かれている文化的・社会的状況について「情報化(情報社会」と「能力主義」をあげてました。で、特に後者について、なるほどなあと思ったので、メモ的にここに書いておきます。

 

能力主義

本来、「能力」ってすごく色々なものがあると思うけど、子どもが求められている「能力」=デキルということ。「一人で早くできる」そんなことが良しとされている、それ自体は別に間違ってはいないんだけど、「できない」「遅い」「助けが必要」な子たちが軽蔑の対象とされてしまう可能性について書かれていた。でも人ってできない時や、人に助けられる中でいろいろ学ぶこともあるよね・・・という話(と理解した)。

 

「操作対象」「資本投資」としての子ども

「他人より少しでも有利な地位と収入」につながる能力に向けて学校教育も行われているし(象徴的なのは、テストや大学の入試等で測られる能力)、親も子どもをそこに向かわせようとすることが、けっこうある。

だけど能力主義に囚われてしまうと、それ以外の能力、それぞれにすぐれた可能性を持つ子どもの姿がぼやけてしまう。テストなんかで結果が出ない能力は評価対象とならず、学校教育の中で消失してしまう場合もあるということが指摘されていた。

さらには、世の中的に評価される能力がある=人格もすぐれていることの裏付けであるという偏見があるとも書かれていた。

能力主義にそって、子どもをサポートしていくことって、子どもを「操作対象」として見ていることであり、子どもの市場価値をあげようとする「資本投資」に他ならないとも書かれていた。親としては、当たり前の感情だし、これ自体が悪ではないけど、市場価値云々とは関係のないところで、子どもを見てあげなければいけないなあと思った。

 

こうなって欲しいという気持ちは悪ではないけど、それは親のエゴだったり、自分が安心したいからなのかもね。むずかしいけど、なるべく本人の意思を尊重したり、話し合いができる家庭でありたいなーなんて、思った。